エンジン載せ替え!★カルディナ★進化剤施工も!!
「急にクラッチが切れなくなった!」
走行中クラッチの切れが段々と悪くなってきて、とうとう切れなくなったらしいのです。
そのクルマがコレ!
カルディナ!!
じつはこのクルマは昨年の夏にクラッチ交換をしています。
もしかして作業にミスでもあったのか!?
よくよく話を聞いてみると、症状はクラッチが切れない事だけでは無いようです。
クラッチペダルを踏むとエンジンがエンストするらしい・・・
ん?なんじゃそりゃ??
クラッチが切れないっていうトラブルだけなら、交換時の作業ミスが原因で
なにかしらの不具合が起きている可能性が考えられますが
一緒にエンストの症状が出るっていうのはどうも腑に落ちません。
そもそもクラッチが原因でエンストなんてまずありえないと思いますからね~。
クラッチが切れないうえにエンストまでするもんですから、とうてい乗っていられないので
とりあえずディーラーさんに頼んで持って帰ってもらったそうです。
そこで点検の結果を連絡もらえるとのことでした。
でも、クラッチトラブルだとMT降ろさないとわかんないでしょうから
判明するまでに時間がかかりそうだな~ と思っていたら・・・
「クランクのベアリングが逝ってるんだって!」
との連絡がすぐにありました!!
カルディナはFF式のMTなんでクランクにパイロットベアリングは付いていないから
クランクのベアリングっていうことは 親メタル の事?
親メタルが逝ってしまうとクランクの中心はズレてしまい、偏芯して回ることになります。
そうなるとレリーズベアリングがクラッチカバーの中心を抑えられなくなるので
クラッチが切れないって症状も起きるかもしれませんね。
でも何となく納得できません・・・
エンジンが止まるっていう症状はメタルで納得できますが。
で、そのまま修理を頼むのかと思っていたところ・・・
どうやらディーラーさんは年末から年明けにかけて重作業が入っているらしく
2月頃でないとできないそうなんです。
さらにメタルの交換だけでもけっこうな費用が掛かるとのことでした。
他にも不具合箇所があればさらに高額になるとのこと・・・
「速く・安く直す方法は無い??」
とのSOSが当店にやってきたんです。
まあメタルが逝ってクランクが変に回ったのなら、ピストンやシリンダーにも
トラブルが出ている可能性がありますから、本気で直すとなるとそりゃあ費用もねえ~。
そこで中古のエンジンに載せ替えることにしました。
なるべく走行距離の少ないエンジンをと思って探したら走行6万km弱の物が出てきました。
とは言え年式が年式ですのでそれなりの部品交換は必要です。
特にゴム製品はかなり硬化してるでしょうからね。
ヘッドとかをバラすと費用がかさんじゃいますんで、
バラさずに作業できるガスケットやオイルシールを全て交換することにしました。
本当は最低限のオーバーホールがしたかったとこですが、
「あとどれだけこのクルマに乗るのか?」って事もありますんでね・・・
送られてきた中古エンジンを確認してみると・・・
やはり年式相応の状態ですね~。
この色を見るとついつい洗浄したくなっちゃいます!(笑
で、各部をチェックしていたところ・・・
バルブステムにオイルがたれてきているのを発見!
しかも全てのバルブステムがオイルで濡れているじゃないですか!!
「こりゃあ、ステムシールがダメじゃな・・・!」
と言うことで交換決定!
そのまま載っけたらオイル下がりで白煙モクモクになっちゃいますんでね。
通常ステムシールの交換はヘッドを降ろしてバルブをバラさないと出来ないんですが
今回はウラ技を使って載せたままで交換しました!
まあ、その方法でやるためにはそれ専用の工具が必要なんですけどね。
外したステムシールはリップ部分のゴムがカッチカチでした。
距離は少なくても年式が効いてるんでしょうね。
なんせゴムですから・・・
エンジンの準備ができた段階でクルマの入庫となりました。
引き取る際にディーラーさんに詳しい内容を聞いてみたところ、予想外の答えが・・・
なんとクランクのベアリングとは親メタルではなく
スラストメタル だったんです!
親メタルっていうのはクランクの回転方向に使われている物で回転軸を保つ部品ですが、
スラストメタルはクランクの前後方向(縦方向?)の位置決めをする物なんです。
で、コレが逝ってるとどうなるかと言いますと・・・
クラッチを踏むたびにこんなことになっちゃうんですよね~。
レリーズベアリングがクラッチカバーを押さえると、クランクが前方向に移動するため
クランクプーリーが飛び出してきます!
今までこんな状態のエンジンは見たことありません!!
ペダルを踏んだ時と離した時でこんなにもズレています。
クランクが逃げてしまうのでペダルを踏んでもカバーを押さえつけるストロークが足らないので
クラッチが切れなくなってしまっていたようなんです。
そしてクランクが本来動かない方向に動いてしまうため、ピストンがシリンダーに
押しつけられる形になり、異常な抵抗がかかるのでエンストしてしまったということなんですね。
と、言うことはシリンダーやピストンにはかなりの無理が掛かっていたということになります。
中古エンジンへの載せ替えを選択して正解だったようです。
それにしてもこんなことも起こるんですね~。
今まで何台もオーバーホールしましたが、スラストメタルが逝ってたことはありませんでした。
こんなことになった原因は・・・
おそらく強化クラッチのせいではないかと思われます。
このカルディナは3S-FEエンジンです。
クルマの性格からしても専用の強化クラッチが出ているはずもありません。
そもそもこのクルマでMTって事自体が・・・
そのためセリカ用とかの強化クラッチを流用しています。
サイズが合うので流用しているんですが、元々は3S-GEエンジン用なんです。
しかもハイパワーに対応できるクラッチですから圧着力も強いんです。
それをスポーツ性を考慮していない3S-FEに使ったことが大きな原因でしょうね。
なにしろこのクルマは10年以上の間、その強化クラッチ使ってますから・・・
(去年組んだクラッチで3セット目だったはずです。)
でも、そこがオーナーさんのこだわりでもあるんですが。
大きけりゃイイ、強けりゃイイってもんじゃないという見本かも・・・?
終了!のエンジンが降りました。
補機類は中古エンジンのほうに付け換えてやります。
タイミングベルトとかも換えたばっかりだったようなので、付け換えます。
中古のほうも6万km弱ですから交換しなくてもいいんですが
年式が年式ですし、こっちのほうが新しいですからね。
降ろしたエンジンをバラしてみたら・・・
ウギャ~~~~~!
まっ黒けでした!!
これなら中古エンジンのほうが程度がイイ?
オイル交換もわりとやってたほうだと思うんですが、それでもこの状態。
10万km超えたエンジンですからね~。
肝心のメタルや中身の状態は、またエンジンをバラしてみてアップしますね。
エンジン載せ換え完了です。
変な異音も無く快調に動いてくれています、今のところは・・・
中を見ていないんで少々不安ではありますが・・・
その不安を隠すため!
進化剤を1本点滴注入しときました!
不安な時の進化剤!ってわけではありませんが・・・
なにしろ中の程度がどうなってるのかわかりませんので、予防注射みたいなもんです。
きっとイイ仕事してくれるでしょう!
by AutoReference | 2011-01-17 20:12 | 進化剤 | Comments(2)
「駆け込み寺」の本領発揮ですね!(笑)
>大きけりゃイイ、強けりゃイイってもんじゃないという見本かも・・・?
長年クルマに乗ってきて、最近特に感じているのが…
「結局、ノーマルが一番良い」なんですよね。
すべてが計算され尽くしているし…
コストの関係で、グレードダウンされているところを、グレードの高い部品に変えてやるだけが最も良いのかと…
だから、ウチの2T-Gはオーバーホールをしないのです。
純正のオーバーサイズピストンは、もう出ませんからね。
決して、財政的な理由じゃないですよ…(激爆)
>すべてが計算され尽くしているし…
たしかにそれは一理ありますね。
有名大学卒の頭の良い人たちが集まって造ったであろうクルマですし、開発・テストのコストも社外品の比ではありませんからね~。
ただ、万人向けのクルマでは満足できない人がいるから、チューニングって分野が成り立っているのも事実です。
まあ、闇雲にパーツをグレードアップすることだけがチューニングではありませんが...
>決して、財政的な理由じゃないですよ…(激爆)
それはそれは... 気づきませんでした...
手のかかるペットがまた1台増えたんで、てっきりそうだと思ってました!(笑