進化剤施工!★DC2インテR★エンジンO/Hも!!
ネタが溜まりに溜まっちゃってます。
少しずつでも消化していかないと...
と言うことで久々の進化剤ネタです。
じつは施工したのは今月の初め頃だったんですが・・・
DC2インテR!
エンジンに施工です。
「あれっ、このクルマって・・・?」と思ったアナタはスルドイ!
そうです、すでに3回施工を達成しているクルマです!
今回で 4回目の施工 になります。
ステージアに続く2台目の4回施工車ですね。
(まあ、あっちはすでに5回やってますが・・・)
ステージアの場合はしょっちゅう高速をブッ飛ばすからということでやってるんですが、
このクルマは理由が違うんですよね~。
その理由と言いますのは・・・
エンジンオーバーホール! なんです。
つまりNewエンジンでの出直し1回目ってことですね。
先日リビルトエンジンに載せ換えたワゴンRと同じってことです。
元々進化剤施工のきっかけがマフラーからの白煙だったんです。
施工することで症状が治まればと思ってやったのですが、
直後は若干減少するものの、大きな変化は無かったようです。
(白煙減少の変化ってことですよ!)
進化剤は金属にしか反応しませんので、オイルシールの傷みなどには効果はありません。
このクルマの場合にはバルブステムのシールが逝っちゃってると推察されます。
いわゆる「オイル下がり」ってヤツですね。
ただ、進化剤施工直後は白煙が減るってことから言うと「オイル上がり」の気配も・・・
施工したことによってシリンダー壁面の摩耗が修復されるので、
白煙が減るっていう現象に繋がります。
上からも下からもオイルを消費しているってことですから、
思い切ってフルオーバーホールをすることになりました。
最初からきっちりと予算を組んでおかないと、えらい目に合うことになりますからね。
エンジン開けてみて「アソコがダメ、ココもダメ!」でドンドン金額が膨らんで・・・
な~んてことになったらお客さんが困りますからね。
エンジンをバラしたところ、EXポートはごらんの通り・・・
バルブステムからたれてきたオイルが排気の熱でカーボンと化して、
ポート全体にこびり付いています。
ステムの先端部分が隠れちゃうぐらいにこんもりと堆積していますね~。
ここまでの状態なのは中々お目にかかれないでしょうね。
ポートがこの有様ですから、バルブのほうも・・・
ご覧の状態です・・・
もう完全にバルブの形が変わってますよね。(笑
ポート&バルブに堆積したカーボンの量を考えると、かなり排気効率は悪かったんじゃないかと。
かなり狭くなってたはずですからね~、ポートが・・・
洗浄後はこんなにキレイになりました!
って、口で言うのは簡単ですが・・・
焼き付けられたカーボンってそう簡単には取れないんですよね~。
通常のオーバーホールの3~4倍ぐらい洗浄に時間がかかりましたよ。
リューターで削れば早いんですが、今回はポート修正や研磨は予算に組んでいないんで、
表面だけ削って壁面に近い部分はひたすら洗浄あるのみなんです。
いつものカーボン落としのウラ技を駆使しても苦労させられました・・・
バルブのほうはさらに焼きつけられていてカーボンはカチカチ!
こちらは研磨の予定にしていましたので、削り取ってやりました。
表面も磨いておいたので、今後はカーボンの付着も抑えられるかな?!
バルブシートとの当り面もかなりの荒れ具合だったので、修正しておきました。
シートカットもかけるのですが、バルブのほうが荒れてたら意味ないですもんね~。
タイプRのエンジンをバラすのは初めてだったので、けっこう楽しみにしてたんです。
と言いますのも、純正でポート加工がしてあるってことでしたので、
どの程度の加工なのかが見てみたかったんですよね~。
ご覧のように量産エンジンには必ずあるシートリングとポートの段差が削られています。
指で触っても大きな凹凸もない状態に仕上げられていました。
元々ホンダのエンジンはこのあたりの造り自体もけっこう良いんですが、
それでもタイプR以外には段差が存在しますからね~。
シートの当り面もけっこう荒れています。
まあここはシートカットをかけますんで問題ありませんけどね。
シートカットをかけたらかんなカンジになります。
IN側のバルブシートは燃焼室よりも沈み込んでいたので、
燃焼室との境目のアルミ部分も削ることになっちゃいました。
まあ、削ったおかげで吸気の流れは前よりもスムーズになったと思いますよ!
すり合わせ後、バルブを組み付けてヘッドの完成です。
バルブを磨いてあるのでピカピカでキレイですね~。
ヘッド下面も修正面研してありますし、新品以上の仕上がりカモ?
組んでしまうと見えなくなっちゃうのが惜しい!
白煙の原因だったステムシールは新品に交換してあります。
まあ、外した時点で再使用はできないんですけどね・・・
続いては腰下です。
オイル上がりの原因っていうのはシリンダーが摩耗してピストンとの隙間が広がることです。
そのためオーバーサイズのピストンを使って、シリンダーもボーリング!
機械加工はもちろんいつもの戸田レーシングさんにお願いしました!!
昔は純正でオーバーサイズピストンがラインナップしてたんですが、現在は無いんですよね~。
数年前にちょっと問題になった事があって生産中止になったんです。
その問題っていうのが・・・
軽四でオーバーサイズを使うと排気量が660ccを超えちゃうんです。
そうなると「軽四の規格から外れてしまうんじゃないのか!?」って事になりました。
そこでメーカーはオーバーサイズピストンの生産をやめたんです。
軽四だけに留まらず、普通車用まで・・・
ただそうなると修理する時に困っちゃうんですよね~。
どこのバカ野郎がこんなこと指摘したんだろう?
ボーリング加工っていう手が使えなくなるってことは新品のブロックを買えってことですもんね。
軽四なら規格外になっちゃうからしょうが無いかもしれないけど、
DC2なんかだとオーバーサイズを使っても税制面でも変わらないんですからね~。
(1999ccまではナンバーも税金も同じですもんね。)
この措置っていうのはいかにもお役所仕事的な匂いがプンプンします。
たしかに排気量が若干でも変わるんで問題だと言われればそうなんですが、
オーバーサイズでの修理って昔からメジャーな修理方法として確立されてましたからね。
エンジン型式が変わるわけでも無いし、車検時に確認することも無い・・・
って言うレベルの問題だと思うんですけどね~。
本当に問題なんだったら車検の時にちゃんとお役所側がチェックすべきでしょうね。
まあ、そんなこと出来っこありませんが。
そもそもピストンのサイズで排気量を決めるっていうのがおかしい!
実際にはピストンリングが最外周になるので、シリンダーの内径で決めるべきですよね。
でも、そうなると経年変化で摩耗しちゃったシリンダーは違法ってことになる。
そんなことになったらお役所が大変なので、都合のいいほうにしてるだけですよね。
なにしろピストンは経年変化で寸法は変わりませんから・・・
純正が無いもんですから、今回はスプーン製を使いました。
形状は純正品そのまんまでしたね。
ブロックの上面も修正面研しましたんで、こちらも新品以上!?
タイプRのコンロッドボルトは特殊な締め方をするんです。
通常の規定トルクで締める方法では無く、ボルトの伸びを測定しながら締めます。
そのためこういった特殊工具(計測器)が必要なんです。
もちろんボルト&ナットは新品を使ってます。
クランクシャフトも加工しました。
わかりにくいかもしれませんが、ジャーナルとピン部分をラッピング加工で磨いています。
左が加工前で右が加工後。
ピカピカになってるのがわかりますよね。
フリクションロスの低減に一役かってくれるはずなんで、レスポンスアップに効果的!?
カムもラッピング加工しました。
上が加工前で下が加工後です。
カム山両端は面取り加工でエッジを落としてます。
ホンダのカムは表面処理をしてあるようなので(黒くなっているのがその処理です。)
その表面処理が落ちない程度に磨いています。
写真では光の加減で色が変わっているように見えますが、実際には黒いままです。
「艶消し黒」から「艶あり黒」に!ってカンジですかね。
段々とエンジンが組みあがってきました。
今回はカムはノーマルなんですが、スライドカムプーリーを使いました。
と言うのも、ヘッド下面&ブロック上面を修正面研しましたので、
微妙にエンジンの高さが変わってしまっているんですよね。
それのどこが問題なのかと言いますと・・・
エンジンの高さが変わったっていうことは「クランクプーリー」~「カムプーリー」の距離が
近づいちゃってるっていう事になります。
この間はタイミングベルトで繋がれるんですが、ベルトの長さは変わっていません。
するとカムプーリーは回転方向とは反対側にズレてしまうんですよね。
そのためスライドプーリーを使って正規の状態に戻してやらないといけないんです。
プーリーの山にあるマーク(線)が本来なら向き合っていないとダメなんですが、
写真のようにズレちゃっています。
ホンダのエンジンは反時計回りに回転しますので、カムプーリーは時計方向にズレています。
バルブの動きを測定しながら調整します。
いわゆる「バルタイ調整」ってヤツですね。
せっかくのV-TECですからきっちりとバルタイを合わせてやらないともったいない!
エンジンが完成してクルマを納車したのは1ヶ月ほど前のことでした。
その後1000kmほどナラシをして、オイル交換のタイミングで進化剤を施工しました。
オーナーさんのオーバーホールのインプレッションは
「レスポンスがすごく軽くなって、アイドリングも安定しています!」
「いや~、オーバーホールしたかいがありました!!」とのことでした。
シリンダーの摩耗が出ていたので圧縮圧も抜けていたんだと思います。
圧縮抜けが治ったことでトルクが回復したんでしょうね。
面研してるんで新車時より圧縮比も若干上がってますんでね。
さらにラッピングやメタル合わせ等の効果でフリクションロスも減っていますから、
トルクとの相乗効果でクルマが軽く感じられるんでしょう!
なんにしてもお客さんに喜んでもらえて、作業した者としてもうれしいかぎりです。
こちらこそ「やったかいがありました!」ってカンジですね!!
最近は同じクルマを長く乗る方が増えてきています。
新しいクルマに魅力的なのが無いっていう方もけっこう多いようで・・・
長く乗っていくにはやはりメンテナンスが重要になってきますから、
オーバーホールのような大きな事から、小さなメンテまで何でもご相談ください。
by AutoReference | 2011-10-22 15:06 | 進化剤 | Comments(0)