ミッドシップ祭り第3弾!★NSX★ 後期ABS換装!!
でもまだまだネタが眠ってます。
さらに現在も新たなネタの作業中だったりします・・・
近いうちにご紹介しますのでお楽しみに!
さて、本日のクルマは・・・
ホンダ NSX!
ABSを後期型のものに換装する作業です。
NSXに限らず当時のABSはアホABSと呼ばれていました。(笑
なにしろABSが作動すると制動距離が長くなってしまうというお粗末なシロモノ。
特にスポーツモデルはハードブレーキングの機会が多いですから評判は悪かったですね。
ジムカーナやサーキット走行ではヒューズを抜いてABSを殺したりしてました。
最近のクルマではコントロールシステムが進化しましたので、
そういった現象は一般車でもまずありませんよね。
NSXも後期型では最近のシステムと同様の物になっているんです。
そこで前期型に後期のシステムを移植することで、
現代のブレーキシステムに変身させよう!ってことなんですよね。
この作業はNSXでは定番になっているんです。
販売された台数の多くが前期型で占められているNSXならではなのかもしれません。
また、長く大事に乗りたいっていうオーナーさんが多いので、
少々コストは掛かっても安全面から決断されているんだと思います。
NSXは15年もの長きにわたって生産されていたので、
各部に進歩があるから流用が出来るって面もありますかね?
他の車種だったら前期も後期も同じ物って可能性がありますからね。
なにしろ2年ごとのマイナーチェンジだったりしますから・・・
先日ミッドシップ祭りの予告編で登場したクルマですね。
後ろにもう1台のNSXも写ってますし・・・(笑
このお客さんは・・・
広島 からのご来店なんです。
プレートは福山なんですが、広島市内に転勤になったそうなんです。
以前よりも遠くなっちゃいましたね。
前期型のモジュレターユニットです。
パワーユニット・アキュームレーターなるものも一緒になっているためにかなりデカイです。
この頃のABSって作動原理も複雑だったのでいろいろ付いてたんですよね。
と言いますか前期型はABSではありません。
ALB(アンチロックブレーキ)
って名称だったんですよね。
これはホンダだけで無く他の国内メーカーも同様でした。
トヨタはESC(エレクトロニックスキッドコントロール)
日産は4WAS(4輪アンチスキッド)ってカンジでね。
ABSっていうのはベンツだったかボッシュだったかが商標権を持っていたんで、
他のメーカーは使えなかったんですよね。
で、商標権の期限が切れたか、放棄したかで使えるようになったと記憶しています。
今ではABSに統一されてますもんね。
で、この前期ALB、どこがアホなのかと言いますと・・・
タイヤがロックしそうになるとペダルにガクガクと振動が出て、
制動力が一気に抜けて減速しなくなるそうなんですよね。
そして徐々にペダルが奥へ奥へと沈んでいくらしい。
実際に運転してたらかなり怖いですよね~。
単にタイヤをロックさせないだけのシステムってことみたいです。
まあ、一般道では無いよりはマシなのかもしれませんが・・・
前期と後期の比較です。
どっちがどっちって言わなくてもわかりますよね?
後期型はかなりコンパクトになっており、最近のクルマで見かける形状です。
こういったところにも技術の進歩を感じますね。
前期のモジュレターはよく壊れることでも悪評があるんです。
内部でオイルをモーターによって高圧にしているようなんですが、
このモーターからキュルキュル音が出始めたり、
オイルの滲みが出たりすることがよくあるそうなんです。
前期用のモジュレーターで新品交換すると30万円ぐらい掛かるらしい・・・
だったら作動が飛躍的に向上している後期用に換装したほうが、
リーズナブルでコスパも高い!ってことなんですよね。
ブレーキの配管も交換します。
モジュレーターが変わりますので今までの配管は使えませんからね。
何しろ接続する位置が全然違いますから・・・
今回の作業で一番手間が掛かったのがコレなんです。
けっこう長い配管もありますので、取り廻しが大変なんですよね。
まるで知恵の輪をやってるみたいでした。(笑
こちらは小物たちです。
前期用を再使用することも可能だったとは思うのですが・・・
ゴムやプラスチックの部品ですので消耗品扱いで交換してやります。
モジュレーターを組み立てます。
ブラケットやプロポーショニングバルブを固定して、配管しておきます。
組み立てたモジュレターユニットを車輌に固定して、引き廻しておいた配管を接続していきます。
ヒーターホースやらクラッチの配管やらがあるもんで、
ブレーキ配管の引き廻しが手間が掛かっちゃったんですよね。
後期ABS換装のキモになるのが、この専用ハーネスです。
何社からか発売されているのですが、今回チョイスしたのは・・・
RFY(レーシングファクトリーヤマモト)製
300台以上の販売実績があるそうで、ディーラーさんとかからも注文があるようです。
これなら信頼性はバッチリなんじゃないですかね。
前期のコントロールユニットです。
室内にあるんですが、必要なくなるので撤去しておきます。
別に残したままでも構わないんですが、単なるオモリになっちゃいますからね。
このユニットに接続されていたカプラーにさきほどのハーネスを繋いで、
後期用のモジュレーターユニットまでハーネスを引き廻します。
電源用のカプラー(オレンジのヤツ)は付属していないので、
旧ユニットから端子を抜き取ってカプラー部分のみを移植する必要があります。
まあ、さほど難しい作業じゃありませんけどね。
後期用のモジュレターにカプラーを接続し、電源カプラーも接続します。
最近のクルマでは常識となっていますが、
後期用はモジュレターにコントロールユニットが一体化されているんです。
それなのにこんなにコンパクトになっているんですね~。
しかも作動が安定するんですから、技術の進歩なんですね。
旧モジュレターに接続されていた数々のカプラーは不要になります。
まとめてインシュロックとかで括っておいてもよかったんですが・・・
撤去した旧モジュレターからカプラーのみを抜き取って、
防水処理を施したうえでハメこんでおきました。
こうすることで純正位置のステーに固定が出来るんでスマートにまとまりました。
取り外していたパーツ類を元通り復元したら完成です!
モジュレター周辺はかなりスッキリしましたね。
もちろんブレーキのエア抜きは必須の作業ですよ!!
旧ユニットと違ってABS単独のエア抜きっていうのは必要ありません。
どうですか、比較してみるとかなりスッキリしましたね。
現代のニオイが漂ってくるような・・・(笑
オーナーさんからインプレッションをいただきました。
ABSですが、こちらは非常に快適です!
以前は教習所かのように早め早めのブレーキング(笑)でしたが、
換装後は普通に止まり、安心して乗れます。
ブレーキ性能は格段に進化しました!
もっとも、進化したというよりは、現代の通常レベルに追いついたという方が正しいでしょうが・・・。
フルブレーキとまでは行きませんが、
帰りの高速で強めに踏んでみたりしましたが全く違和感はありません。
しっかり効いています。
言うまでもなく、ABSが介入するほどのブレーキングはして いませんので
ABSの作動に問題はないかは不明です(笑)
いつか雨の日か砂利道で試してみます。
総括としては、コストはそれなりにかかりましたが、やって良かったと思います。
やはりブレーキに不安を抱えて運転するのは怖いですし、
第一せっかくのNSXを楽しめません!
そう考えると、安心料も含めむしろリーズナブルなのかも知れませんね。
安心して踏めるブレーキ!
あたりまえのことですが、とっても重要ですよね。
今まではそれが無かったってことですから・・・
でも、雨の日のテストは十分気をつけてくださいね!(笑
NSXはこのアホABSのせいでの事故も多いみたいなんです。
まあ、要はスピードの出しすぎなんですが、
現代のABSなら止まれたのに・・・ってことのようですね。
最近のクルマから乗り換えたオーナーさんが、このワナに陥りやすいようです。
なんせ現代の止まるABSに慣れちゃってますからね~。
NSXはアルミボディーですので事故修理は一般車よりは高額になります。
事故らないための保険だと思えば、やっておく価値は高いんじゃないでしょうかね。
この度はお買い上げありがとうございました。
さてミッドシップ祭り第4弾!はどんなネタでしょう?
お楽しみに!!
岡山県倉敷市の「田舎のタイヤ屋さん」です。(笑
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by AutoReference | 2014-10-23 09:29 | NSX | Comments(0)