ミッドシップ祭り第6弾!★AW11 MR2★LSD装着&MTオーバーホール!!
前回の更新からちょっと間が空いちゃいましたね。
まだ眠ってるネタがあるんで早めにアップしないといけませんね。
ってことで本日のクルマは・・・
AW11 MR2!
先日ブッシュ&ショック交換をしたAW11とは別のクルマです!
ボディーカラーは同じブルーマイカなんですが、
先日のは標準ルーフで今回のはTバールーフですからね。
このクルマはエンジンオーバーホールなど、
過去にけっこう大掛かりな作業をイロイロとしてるんですよね。
今回も車検のついでにってことであれこれやったんです。
で、本日はLSDの装着とMTオーバーホール作業の紹介です。
まずはMTを降ろします!
って降ろさないと作業できませんからね。(笑
MTをバラしていくんですが、ここで問題が・・・
写真に写っているのは5速ギアになります。
トヨタのこのタイプのMTって5速ギアがかなり固く圧入されているんです。
そのため外す時に割れちゃう場合が多いんですよね~。
今までは必ず新品に交換していたのですが・・・
作業に先立って部品を検索したところ、生産中止という悲しい結果が!
純正部品の生産中止ってマジで困ります。
まあ、年式が年式なんでしょうがないのかもしれませんが・・・
もちろん他の部品もあらかじめ検索して段取りしてあります。
5速ギア以外にも生産中止の部品があったのですが、それはまた後ほど・・・
ってことで割らないように慎重に作業しました。
何とか無事に外すことができましたよ!
ケースを外すとシャフトやデフが出てきます。
これらを順番にバラしてオーバーホールしていきます。
クワイフLSD!
いわゆるヘリカルギアタイプのLSDですね。
一般的な機械式LSDっていうのはシム圧着力でLSD効果を出しています。
そのためイニシャルトルクによってはガキガキといった音が出ることがあります。
一方ヘリカルはギアの噛み合いによって効果を出すので、
そういったチャタリング音は出ないんですよね。
効きもけっこうマイルドなんで街乗りには適しているかもしれません。
今回オーナーさんがブツを段取りしての持ち込みでした。
イギリスのメーカーの製品なんですが、国内では売っていなかったみたいです。
そこで海外から個人輸入したそうです。
中々気合が入ってますね~!(笑
作業を進める上で問題となるのが・・・
生産中止部品第2弾!(笑
デフのサイドベアリングです。
LSDの両サイドに装着するベアリングなんですが、
片側が生産中止になってました。
調べてみたところ、生産中止のベアリングはAW11とAE92にしか使われていないみたいです。
しかもスーパーチャージャー車のみに・・・
そのため早々と生産を打ち切ったんでしょうかね~?
クルマが少ないんで影響も大したこと無いって判断なんじゃないかと。
そこでとりあえずバラして現物を確認することにしました。
ベアリングっていうのは別にトヨタが作っているわけじゃありません。
NTNとかNSKとかのベアリングメーカーが製造して納入しているわけです。
現物のサイズを測れば社外品で適合する物があるかもしれないんですよね~。
もし品番でも打ってあったら超ラッキーですからね!
ってことでバラしてみたのですが・・・
「旧」のほうが装着されていたベアリングです。
左の一般的なベアリングに比べるとインナーレースの寸法がメチャクチャ長い!
普通サイズのベアリングにカサ上げのカラーを一体化させたような形状です。
こんな特殊なベアリングですから社外品も設定無し!
さてさて困りましたね~。
ところが運良くベアリング部分の内外形寸法が同じ物を発見!!
それが「新」のほうのベアリングなんですが・・・
こちらはインナーレースも一般的なサイズです。
アウターレースにいたっては全くの同じ物でした。
おそらくこっちのベアリングをベースに、
インナーレースを長くしたAW11専用ベアリングを作ったんじゃないかと・・・
デフ本体やケースを新設計するよりコストが掛かりませんもんね。
トヨタの純正部品で設定があったのですが、
使ってる車種がメチャメチャ多いんで当分生産中止の心配も無さそうです。
って、このクルマでは2度と必要無いかもしれませんが・・・(笑
でもこのままでは組み込むことは出来ません。
なんせインナーレースの寸法が全然違いますからね。
そこで・・・
外したベアリングのインナーレースをカットして、
カラーのように新しいベアリングと組合すことにしました。
こうすればインナーレースの寸法を合わすことが出来ますからね。
どうせ外したベアリングはもう使いませんから・・・
ウチでグラインダーとか使ってカットしたんじゃちょっとマズイ・・・
なんせ寸法もきっちりミリ単位で出せないし、
カットした部分の平面処理もキレイに出来ませんからね~。
そこでご近所の鉄工所さんに加工をお願いしました。
さすが本職! キレイに仕上がってますね~。
写真ではわかりにくいですが、角の面取りまでちゃんとしてくれてます。
このカラーを新しいベアリングに組み合わせると、
今まで付いていた物とバッチリ同じ寸法になりました!
矢印部分がカラーとインナーレースの合わせ部分になります。
サイドベアリング圧入完了!!
リングギアやメーターギアも移植しました。
ブルーのメーターギアも生産中止になってました。
そのため傷付けないように慎重に・・・
続いてはMTのオーバーホールに取り掛かります。
まずはインプットシャフトをバラします。
2個ずつ並べてあるベアリングやシンクロリングが今回交換する部品です。
こちらは全て欠品はありませんでした。
ギア自体はほぼ全て生産中止になっていましたが、
チェックしたところ欠けやキズもなく何とか無事だったんでホッとしました。(笑
シンクロリングは設計変更されていました。
内側のタテ溝が3本セットから7本セットになっています。
さらに表面にもザラザラの処理がされていました。
おそらくシンクロの食い付きを良くするための変更なんでしょうね。
新品部品を組み込んでインプットシャフトの完成です!
続いてはアウトプットシャフト(カウンターシャフト)をバラします。
こちらもベアリングとシンクロリングは全交換します。
もちろんシンクロは同じように変更されてましたよ!
アウトプットシャフトも組み付け完了です!
ケースにアウトプットシャフトだけを組み込んで、
ベアリングのプレロードを調整します。
矢印部分のシムがアウターレースとプレートの間に挟まってるんですが、
この厚みを変えることで調整するようになります。
厚くするとアウターレースを強く押さえるようになるため、
プレロードが重くなる方向に変化します。
この調整にはあらかじめ厚みの異なるシムを準備しておく必要があります。
で、測定と交換を何度か繰り返して基準値に合わせるんです。
続いてはデフのサイドベアリングのプレロード調整です。
こちらもデフのみをケースに組み込んで測定します。
ところが・・・
デフの調整用シムはケースとアウターレースの間に挟まってます。
そのため交換するにはケースを一旦バラして、
アウターレースも抜き取る必要があるんですよね。
これを何度か繰り返す必要があるんでけっこう面倒くさいです。
そんな所に限って中々数値が決まらなかったりするもんなんですよね~(笑
アウトプットシャフトはケースを組んだまま、
プレートだけ外せば良かったので簡単でしたが・・・
プレロードの調整が終わったら本格的に組み付けにかかります。
ケースも洗浄してありますんでキレイですね。
矢印部分のスナップリングも新品にします。
インプットシャフトの位置決めをしている大事なパーツなんです。
これが折れたりしちゃうとシャフトが動いてしまうんですよね。
なので新品交換が必須の部品なんです。
NSXとかでもこの部品のトラブルってけっこう多いみたいなんで・・・
5速ギアを組み込んで・・・
ケースにカバーを取り付けたらMT完成です!
クラッチのレリーズベアリングも新品にしています。
もちろんオイルシールも交換してありますよ!
今回クラッチも交換しました!
まだ滑ってはいなかったのですが、けっこう磨耗していましたので・・・
別で作業をするとなると、また工賃が必要になりますからね。
強化品ではありませんがディスクとカバーのセットで交換しています。
カバーの状態もあまり良くありませんでしたのでね。
MTを載せてドラシャなどの補機類を付ければ完成です!
最後の仕上げにMTに進化剤を施工しました!
シンクロやベアリングが新品になってますので、保護してやらないとね!!
AW11のLSD装着なんて何年ぶりの作業でしょうかね~。
ジムカーナ全盛時代にはよくやりましたけど・・・
なんせ当時はAW11がクラス最強マシンでしたから、
ウチにもお客さんがけっこういましたんでね。
生産中止の部品がありましたが、加工で対応することが出来ましたので、
また同じ作業がきても大丈夫ですね!
でもAW11にいまさらLSD組むようなお客さんが他にもいるんでしょうか?(笑
あっ、MTのオーバーホールなら有り得るか!?
今回は他にも作業をイロイロやってますんで、
また ミッドシップ祭り! としてご紹介しますね!
岡山県倉敷市の「田舎のタイヤ屋さん」です。(笑
軽トラのタイヤ交換1本から、オイル交換・インチアップ・カーナビなどをはじめ
ドレスアップやローダウンもおまかせください。
ハードなチューニングやエンジン・MTなどのオーバーホールもやってます。
車検・一般整備・鈑金修理・中古車販売もお気軽にご相談ください。
当店は進化剤のマイスター店です。
超進化剤NT-1、塗る進化剤ミスリル、冷却系進化剤ZOMAも取扱っています。
http://www.auto-r.com/index.html
by AutoReference | 2014-12-16 09:32 | 旧車&プチ旧車 | Comments(0)