レクサスはボログルマ!?
って、私が言ったわけじゃありません。
LS460 に乗ってるウチのお客さんの言葉なんです。
なんでこんなセリフが出てきたかと言いますと・・・
先日ある作業でこのお客さんのLS460をリフトアップしました。
クルマの下に潜ってその作業をゴソゴソとやっていたところ、
大変な事を発見してしまったんです!
Mizo「アリャリャ~~! ちょっとコレ見て!!」
お客さん「ん、何々?? ゲゲゲッ~~~~~! なんじゃこりゃ~~!!」
何が起こっていたのかと言いますと・・・
右側のロアアームのブッシュがちぎれて、アームの位置がズレちゃってるんです。
お客さん「こんなになることってあるん??」
Mizo「これぐらいの年式のクルマでは見たこと無いですね~」
「今までアリスト・クラウンと乗りついできたけど、こんなんは初めてじゃ~」
どうやら他の部分にもイロイロと不満を持ってたみたいで、先ほどの「ボロ発言」に・・・
このまま放っておくわけにもいきませんので新品に交換することにしました。
チェックしたところ左側も怪しそうだったので両方交換しました。
新品のロアアームです。
アルミ製なのでけっこう軽いですね。
新品との比較です。
ブッシュの中のカラーが完全にズレちゃってますね~。
指で押さえたらカラーが抜けちゃいました!
こりゃあブッシュは全く仕事をしていませんでしたね~。
この状態で高速バンバン飛ばしてたのかと思うと恐ろしいです・・・
怪しかった左側のブッシュです。
かなり亀裂が入っており、時間の問題だったかと・・・
でもどうしてこんなことになったんでしょう?
年式もまだ新しいですし、走行距離もそんなに出ていません。
もちろん事故とかもしていないのに・・・
大きな原因の一つはローダウンでしょうね。
LS460はエアサスですので、ローダウンにはエアサスキットを使います。
そのため足廻りには全く触らなくてもいけるんです。
ロアアームはノーマル車高の状態で取付けられていますので、
車高が変わるとブッシュにネジレの力がかかってしまうんですよね。
ローダウンした状態で一旦ロアアームのボルトを緩めて、締め直しておけば・・・
(1G締めってヤツですね。)
もう一つの原因は車重ですかね。
車重の軽いクルマだと少々ローダウンをしてもこんな事にはならないでしょう。
しかしLSはと言いますと、総重量は2トンを超えちゃってますし、
特にフロントには4.6リッターのバカでかいエンジンが・・・
その重量を受け止めるにはこのブッシュは華奢に見えますね~。
LSっていうクルマはセルシオがモデルチェンジしてレクサスになったクルマですよね。
いわばトヨタのフラッグシップモデルです。
値段も一部の特別なクルマ(NSX-RGTとかLF-Aとかセンチュリーとか)を除けば
国産車では最も高級なクルマですよね。
LS600なんか住宅ローンで買うようなお値段ですもんね。
そんなクルマのブッシュがコレじゃあ、オーナーが「ボロ」って言いたくなる気持ちも。
当然ながら前に乗ってたアリスト・クラウンもローダウンはしていましたから。
それなのにレクサスだけこんな事になって・・・
ちなみに先々代モデルにあたる20系セルシオと比べてみると・・・
写真なんで一概に比較できませんが、あきらかにセルシオのほうがゴツイ!
アームを固定するフレームの幅は同じぐらいなのに、ブッシュの幅は全然違います。
これもコストダウンの影響なんでしょうかね~。
でもここの幅を狭くすることでどれぐらいのコストが稼げるのかも疑問です。
強度面に不安を残しながらでもコストダウンをするべきクルマでも無いと思うんですがね。
それともココは他車からの流用??
さらにもうひとつコストダウンの影響が!
セルシオのロアアーム固定ボルトっていうのは、キャンバー調整用のボルトでもあるんです。
と言うことはローダウン後、アライメントを調整しておけば
必然的に一旦緩めて締めつけるっていう工程をすることになるんですよね~。
LSのほうはキャンバー調整ボルトにはなっていません。
と、言うよりキャンバーの調整機能そのものが無くなっているんです。
ソアラ・スープラの時代からトヨタのこのクラスのFR車は
アライメントが前後ともフルに調整できる機能が備わっていたのですが・・・
最近はF/Rのトー調整しかできないようになってきました。
つまりローダウン後にアライメント調整をしていたとしても
このボルトには触らないっていうことになるんです。
そのため余計にこういった事が起きる原因になっちゃってるんでしょうね。
まあ、アライメントの調整機能が少なくなってきているのは、トヨタに限ったことでは無いので
日本のメーカー全体の流れなのかもしれませんが・・・
「走り」の重要性をアピールしてクルマを売る時代じゃあ無くなりましたからね。
でも車格を考えるとこの方向性はちょっと寂しい気がします。
また、調整機能がフルに装備されたクルマが各社から発売されるような時代は来るんでしょうか?
by AutoReference | 2010-11-29 19:29 | メンテナンス&修理 | Comments(6)
こんなんで良いのかなぁ~
いらないものは、山ほど付いているのに…
EUの販売台数で、現代自動車に抜かれたそうですね~
まっ、私には関係ない世界での出来事ですけどね(笑)
外したカラーにはちぎれたゴムの破片が残っていますので、付け忘れではないでしょうね。
やはり設計時の強度検討が甘かったのではないかと・・・
メーカー側から言わせれば、車高を落とすほうが悪い!ってことになるのかもしれませんが。
初代セルシオはベンツを超えるクオリティーって目標でかなり気合を入れて造ったと思いますが、4代目ともなるとその気概も薄れてきたんですかね~。
まあ、時代背景もあるとは思いますが・・・
ただトヨタに限らず最近のクルマの部品はかなり品質が落ちていると思います。
特にゴム製品の耐久性が!
そのあたりのことはまた機会があればブログにUPしますね。
昔は「1G締め」なんて、ほとんどしていなかったですよね。
それでも、純正ブッシュがちぎれたなんて聞いたことがありません。
>ただトヨタに限らず最近のクルマの部品はかなり品質が落ちていると思います
私も、そう思います。
日産車の樹脂部品の品質はヒドイと思っていましたが、他社も同様なんでしょうね。
それでもほとんどのクルマで症状が出ないのは車重の関係でしょうね。
レクサスの場合は2トン超えでしたから・・・
以前はこのクラスのクルマはアライメントをやれば必然的に「1G締め」になってたので、こういった事例が出なかったんでしょうね。
ただ、最近はどのクルマも重くなってきていますから、今後はこういったケースが増えてくるかもしれませんね~。
なにしろ軽四で1トン超えが出てきてますから。
ゴム製品の耐久性悪化は意外とこのあたりにも原因があるのかもしれません。
いやいや、車重と関係無いとこでもイロイロあるんで違うかな?・・・
オーナーならわかると思うけど。個体差もあるかもしれないけれど。
ステアリングチルトが動かないとか、ミラーの不具合とか何だかんだで。。。
クラウン以下のクラスがクオリティ高く、それ以上はぶっ壊れる傾向にあると言う個人的見解です。
ある程度トラブルが出て、こなれた頃に下位グレードにも採用していくってことなんでしょうかね?