クラッチ交換!★FD3S RX-7★ EXEDYハイパーシングルVF!!
なんか名残惜しいような・・・
って元号が変わるだけのことなんですけどね。
と言うことで平成最後のネタはクラッチ交換です!
FD3S RX-7!
FD3Sも平成を代表する車種の1台ですよね~。
先日のGC8に続いての平成名車シリーズですか?(笑
FD3Sのお客さんもかなり多かったんですよね~。
なので当時はいろんな作業をやりましたね。
LSDの装着やら、クロスミッションやら、Vマウントやら・・・
ウチのHPの作業レポートで一部ご紹介しています。
FD3Sのクラッチ交換は久々ですね~。
昔はしょっちゅうMTを降ろしてましたが・・・(笑
まずはフェンダーやバンパーが汚れないように養生をして、
エンジンハンガーをセットします。
これでエンジンの前方を吊り上げておきます。
なんでそんなことをするのかと言いますと・・・
FD3S特有のマウント方式に理由があるんです。
FD3SやRX-8にはミッションマウントが存在しません。
そのかわりパワープラントフレーム(PPF)
という構造物でミッションとデフを連結しているんです。
ミッションはエンジンに固定されていますので、
エンジンマウントとデフマウントでミッションも一緒にマウントされるんです。
そのためエンジンマウントはミッションに近い位置になっています。
PPFを切り離すと、ミッションは上に向いてしまうんです。
エンジンマウントを支点にエンジン前部は下に、ミッションは上に移動するんです。
ロータリーエンジンは見た目のコンパクトさとは裏腹にかなり重いんです。
なのでエンジン側が下がってしまうんですよね。
ミッションが上を向いてしまうと、降ろすのにマズイんですよね。
そのためエンジン前部が下がらないように、予め吊り上げておくわけなんです。
ミッションが降りました!
この光景も久々じゃな!!(笑
付いていた純正クラッチは終了寸前でしたね。
クラッチディスクは一部リベットが露出するぐらい磨耗しています。
黄矢印部 のリベットが削れていますね。
カバーのプレッシャープレートもけっこう焼けています。
フライホイールもけっこう焼けてますね~。
まあ、再使用はしないんで大丈夫なんですが・・・
ロータリーエンジンはフライホイールの固定方法が特殊なんです。
レシプロエンジンだと6~8本のボルトでクランクに固定されていますが、
ロータリーは 黄矢印 のナット1個で固定されているんですよね。
このナットが54mmってサイズのデカさで、
さらに50Nmってバカみたいなトルクで締まってるんです。
これを緩めるのに一苦労します。
例のナットを緩めるための工具です!
54mmのソケットなんて他の作業で使うことは無いんですが・・・
ウチではFD3Sの作業が多かったんで持ってるんですよね~。
バーも1m以上の長さがあります。
タバコと比べてもらえばサイズ感がわかりやすいかと。
これを使って、エイヤッと緩めました。
でも緩めただけではフライホイールは外れません。
エンジンのエキセントリックシャフトに圧入状態になっているんですよね。
なのでフライホイールにプーラーを掛けて締めこんでいくと、
バキって音と共に外れてきます。
この時に先ほどのデカナットをネジを少し掛けて残しておく必要があります。
そうしないと外れたフライホイールが落ちちゃうんですよね。
ロータリーのフラホは特に重いんで、足の上にでも落ちたら大惨事ですから・・・
EXEDY ハイパーシングルVF!
ストリートでの扱いやすさもある強化クラッチです。
紫色のカバーがキレイですね~。
まあ、付けてしまうと見えなくなるんですが・・・
このクラッチは純正と同じプルタイプになっています。
強化クラッチだとブッシュ式に作動変更する製品も多いんですけどね。
ハイパーシングルVF の特徴がこのディスクです。
メタル素材とフェーシング素材を組み合せているんです。
高い耐熱性能を持つメタルと、扱いやすいフェーシングのイイとこ獲り!
サーキット走行でも安心の耐熱性を持ちながらも、
半クラッチとかは純正並みの扱いやすさなんですよね~。
街乗りには最適の強化クラッチかもしれませんね。
エンジンリアエンドのオイルシールを新品交換しておきました。
このオイルシールはフライホイールを外さないと交換出来ませんので・・・
純正カウンターウエイト!
ロータリーで強化クラッチに交換するときの必需品です。
純正のフライホイールはナット1個で固定されてましたよね。
ところが強化クラッチのフライホイールはボルト6本で固定する構造なんです。
そこでこのパーツの出番となるわけです。
じつはコレってAT用の純正部品なんです。
ATにはあの重たいフライホイールは付いておらず、
薄い鉄板のドライブプレートって部品が付いています。
ドライブプレートにはトルクコンバーターが固定されており、
外周にはセルモーターが噛み合うギアが付いています。
カウンターウエイトはそのドライブプレートをエンジンに固定する部品なんです。
まずこのウエイトをあのデカいナットでエキセントリックシャフトに固定し、
6本のボルトでドライブプレートをウエイトに固定します。
強化クラッチはこの方式をうまく流用しているんです。
ドライブプレートの代わりに専用フライホイールを固定すればOKですから。
純正のフライホイールはこのウエイト部分も一体化して造られています。
社外品で同じ構造の物を造ろうとするとコストが掛かりますからね。
なのですでに存在している純正部品を使うようにしてあるんです。
バカデカいナットを規定トルクで締め付けます!
使うトルクレンチも全長1m以上のデカさですよ!!
強化クラッチのフライホイールを仮のボルトで固定し、回り止めをしてあります。
トルクがトルクだけにけっこう気を使います。
その後フライホイールもボルトを替えて本締めします。
パイロットベアリングも交換しました。
緑矢印部 に写ってるのがパイロットベアリングです。
これをエキセントリックシャフトの穴に打ち込んで、さらにオイルシールも装着します。
このベアリングはミッションのインプットシャフト先端が挿さる部分です。
インプットシャフトが振れないようにするための重要な部品なんですよね。
クラッチ交換の時にはけっこう見落としがちな部品でもありますが・・・
ディスクとカバーをフライホイールに固定します。
この時にディスクのセンター出しをしっかりとしておかないと、
ミッションを載せる時にシャフトが入りにくくて苦労させられます。
レリーズベアリングも新品交換しました!
クラッチ交換の時には必須の交換部品ですからね。
レリーズフォークやクラッチハウジングにはディスクの削り粉が堆積して、
かなり汚れていましたので、キレイに洗浄しておきました。
ミッションを載せたら、PPFを固定します。
センター出しがバッチリでしたので、シャフトは素直に入ってくれました。(笑
マフラーやプロペラシャフト・補強バー等を復元して完了です!
これで当分の間はクラッチの心配はありませんね。
あのままだったら近いうちに滑り始めたことでしょう。
ただ年式が年式ですので、他の部分も心配ではありますが・・・(笑
この度はお買上げありがとうございました。
オマケの1枚!!
平成初期を彩った名車たちの3ショット!!
今回のFD3Sがピット内で、駐車場には先日ご紹介したインプレッサとさらにNSXが!!
NSXも作業でお預かりでしたので、またご紹介しますね。
平成最後の1枚が平成らしい写真となりました!!
さあ、明日から 令和 ですが・・・
ウチは令和初日からお休みです。(笑
5日までお休みいただきますので、6日が令和の営業初日となります。
新時代も今まで同様よろしくお願いします。
岡山県倉敷市の「田舎のタイヤ屋さん」です。(笑
軽トラのタイヤ交換1本から、オイル交換・インチアップ・カーナビなどをはじめ
ドレスアップやローダウンもおまかせください。
ハードなチューニングやエンジン・MTなどのオーバーホールもやってます。
車検・一般整備・鈑金修理・中古車販売もお気軽にご相談ください。
当店は進化剤のマイスター店です。
超進化剤NT-1、塗る進化剤ミスリル、冷却系進化剤ZOMAも取扱っています。
http://www.auto-r.com/index.html
by AutoReference | 2019-04-30 09:14 | 今日のオートリファレンス | Comments(0)