旧車を維持するうえでの泣き所の一つに、エアコンの修理があります。
今回修理を行ったクルマは・・・
PP1 ビート!往年の名車の1台ではありますが・・・
昭和から平成初期のクルマには
R12ガス が使われていました。
エアコンの冷媒としてはとても優れたガスでしたが、
オゾン層を破壊するという理由で生産が中止されたんです。
R12に変わって
R134ガス が登場し、
一般の多くのクルマに使われています。
新型車はさらに新ガスの
R1234yf になってますが、
R12と違いR134は生産中止にはなっていません。
多くのクルマで現在も使われているわけですから、
生産中止にするとパニックが起こりますからね、(笑
R12ガスは現在でも手に入ることは入るのですが・・・
1本あたり数千円とかの高額なんですよね。
その価格だと気軽にガスの補充とかもできません。
さらにいつまで手に入るかも不明です。
そのためR134にチェンジしておけば安心というわけです。
当店ではNSXでレトロフィット修理を何台もやってます。
と言うのもNSXはR12だったのが最初期型のみなんです。
その後はR134に変更されていますので、
R134用の純正部品がラインナップされてるわけです。
ビートも後期型はR134になっていますが、
コンプレッサーのベルトの形状が違うのでそのままは使えません。
まあ、後期用のコンプレッサーも廃番ですが・・・
以前はホンダの純正部品で、前期用のR134対応コンプレッサーと、
レトロフィットバルブ等がセットになったキットがありました。
ウチでもそのキットを使って修理した作業をブログにアップしています。
そのためか問い合わせがけっこうあったんですよね~。
エアコン修理!★ビート PP1★レトロフィット!!
店長Mizoのおやぢ日記ただ、かなり前にやった作業でして。
先述のコンプレッサーキットも廃番になり、その他の部品も・・・
ビートのエアコンにはホースが4本使われていますが、
4本とも廃番だし、コンデンサー等も。
残っているのはエバポレーター(エバポ)とレシーバーぐらい。
この状況ではまともな修理ができないので、お断りしていました。
今回
何とか直したい! というオーナーさんの要望でした。
まあ、最近の夏はエアコンが無いと死んじゃいますからね。
ダメもとで部品を調べたところ・・・
コンプレッサーはR134対応のリビルト品がありました。
ホースも同じくリビルト品を発見。
コンデンサーは何と社外品で新品があったのです。
エキスパンションバルブ(エキパン)以外は部品が揃うことに!
そのエキパンも他車種用が流用できるようなんです。
一気に状況が好転しましたね。
以前は絶滅していた部品が復活したのは、
リビルトメーカーへの問い合わせが多かったからなのかも?
需要があるなら作ってみるか!と判断したのかもしれませんね。
とりあえず部品が揃ったので修理に取り掛かります。

ビートといえば、ボディーカラーはイエローですね。(笑
他の色もありますが、イエローが一番ビートらしい?

ビートのボンネットは前ヒンジなんです。
ランボルギーニ・ミウラもこの開き方でしたね。
昔は前ヒンジのクルマがソコソコいましたが、
現在はほぼ絶滅してますね。(笑
なんせ作業性がメチャメチャ悪いですから。
まあ、ビートはここにエンジンが無いので、まだマシですが。

ボンネット内にエンジンが無いので、
わりとガランとしてますね。
スペースがあるのでラジエターと、
コンデンサーが並列に配置されています。

ガス漏れの箇所を発見!
室内のエバポに接続されるパイプの接合部です。
(正確にはエバポの前にエキパンがありますが。)
茶色いキャップが付いているパイプは、
レシーバーから来ているパイプになります。
ガスはほぼ抜けきっていましたね。

腹下のパイプ接合部にも汚れが付着していましたが、
湿っていなかったのでガス漏れ箇所では無いと思います。

まずは室内のブロアユニットのオーバーホールです。
ご覧のようにスポンジがボロボロになっています。
右側に写っている鉄製のバンドは、
ブロアユニット ~ クーラーユニット ~ ヒーターユニット
間の送風口の接合部を締付けるバンドです。
こちらもスポンジはボロボロです。

内気と外気を切り替えるシャッター(蓋?)のスポンジも・・・
指で触ると粉になって消えていきました。(笑
まあ、これは車種問わずのパターンですけどね。

ユニット内部やブロアファンもご覧の汚れ具合です。
この当時のクルマにはエアコンフィルターがありませんので、
外気で使ってるとこれぐらいの汚れは当たり前なんですよね~。

ユニットは完全に分解して洗浄しました。
かなりキレイになってます。

ブロアモーターはプチオーバーホール!
この手のモーターは非分解式が多いのですが、これは分解式でした。
内部には汚れがたっぷり溜まってました。
ユニット内があの汚れ具合でしたので、不思議では無いかと。
空気穴が上向きにありましたので、そこから汚れが浸入したんでしょう。
ブラシが接触して真っ黒だったアーマチュアコイルを研磨しました。
回転部の軸受けはベアリングでは無く、ブッシュでしたので、
グリスアップをしておきました。
モーターは廃番でしたので、これで延命できますね。

ユニットのケースにモーターを取付けて、
洗浄したファンを装着します。

スポンジを貼り替えてユニットを復元!
鉄製バンドのスポンジも貼り替えています。
この後は他の作業が終わるまでは放置プレイとなります。(笑

続いてはクーラーユニットです。
室内の装備ですがケースもかなり汚れてますね~。

エバポとエキパンです。
フィン部が詰まってるんじゃないか?ってぐらいに汚れが溜まってます。
まあ、以前に洗浄作業をしたハイゼットよりはマシですが。
あのクルマは風が通らないほど詰まってましたので。
エキパンとパイプの接合部も汚れていますが、
ここも湿ってはいなかったのでガス漏れは無い模様。
どちらも新品に交換します。

ケースは洗浄しました。
白い部分は発砲スチロールなので、
割らないように慎重かつ丁寧に扱わないといけません。

純正新品が残っているエバポです。
ビートはエバポからのガス漏れも多いようなので、
新品がまだ残っているんでしょうかね?
エキパンは純正・社外品ともにありませんでした。
これはホンダの他車種用の物を流用しました。
もちろんR134用のエキパンですよ。
サイズもバッチリでしたね。

ケースを復元しました。
こちらも当面は放置プレイです。(笑

続いてはコンデンサーです。
ファンやシュラウドは再使用します。

社外品で新品があるからと喜んでいたら・・・
あれっ、何か形が違うぞ?
車体に固定するためのサイドのブラケットが付いていません!

外したコンデンサーからブラケットを移植しました。
洗浄して塗装でお色直しをしています。
純正では長いリベットで固定されていましたが、
そんな物や工具はありません。
なのでボルト・ナットで固定しました。
ブラケットがツブれないように、間にカラーを挟んでます。

ファンとシュラウドも移植しました。
どちらも汚れていたので洗浄してあります。
シュラウドは塗装でのお色直しも!
こちらのモーターは非分解式だったので、オーバーホールできず。

コンデンサー装着完了!

再使用するパイプは専用の機材を使って洗浄します。
特殊な洗浄液をエアーで噴射するシステムです。
パイプ内の古いオイルや汚れを除去します。
せっかく部品を新品にしても、
パイプ内に汚れが残っていたら台無しですからね。

排出された洗浄液です。
洗浄液自体は無色透明なんですが、
古いオイル分等が混ざって黄色っぽい色になってます。

外せるパイプも洗浄しています。
真っ直ぐなパイプは腹下のヤツです。
右側の2本はボンネット内部のパイプです。
こちらは外面もかなり汚れていましたので、
内部と合わせてキレイにしてあります。

リビルト品のコンプレッサーです。
R134対応のリビルト品があるのは驚きでした。
純正のキットが廃番になってからはあきらめてましたから。
前期型のビートはVベルトなんですよね。
R134になった後期型はリブベルトなんです。
なのでクラッチ部分が異なるのでそのままは使えません。
R134対応の前期用があるのはありがたいですね。

コンプレッサーの固定ボルトの頭がナメてましたので交換します。
じつはこのボルトは回らないんです。
赤矢印部 が四角形になっているのがわかりますか?
相手側のブラケットに四角の穴があり、
そこにハマることで回り止めになっているんです。
ボルトの頭は回り止めの補助に工具を掛けるためのもので、
それに気づかずに回そうとしたので
緑矢印部 のようになってます。
反対側のナットを緩めるのが正解なんですよね。
この太さのボルトで頭のサイズが10mmってことが、
通常のサイズでは無いんですが、それに気づかなかったんでしょう。

ブラケットに四角形の穴が空いているのがわかりますか?
ここにボルトの四角部分がハマります。

コンプレッサーを装着!
下側に写っているのが先ほど説明したナットです。
今回はベルトも交換しました。
そこそこ摩耗もしていましたが、他にも理由が。
正規のサイズよりも短いベルトが付いていたんです。
そのために外すのに苦労しました。
装着する時はさぞ大変だっただろうに、
それも気付かなかったんでしょうかね~?

リビルト品のホース4本です。
ホース自体はR134用の製品を使っているそうですが、
R12に使っても問題ないそうです。
こちらもあきらめていた物なので、ありがたいですね。

コンプレッサーにホースを接続!

コンプレッサーの作業の邪魔になるので、
エアクリーナーのボックスを外したら・・・
エンジン側のケースがオイルまみれになってました。
おそらくブローバイからのミストが溜まったんでしょうね。

エアエレメントも真っ黒に汚れています。
本来はオレンジ色なんですよね。
迷わず新品に交換しました。

ケースのオイル汚れはキレイに拭き取りました。

放置プレイをしていたクーラーユニットを装着!(笑

続いてブロアユニットも装着!
赤矢印部 が例の鉄製バンドです。
このバンドで送風口の接合部を締付けることで、
ブロアファンからの風が漏れないようになっています。
クーラーユニットの反対側も、ヒーターユニットとの接合部に、
鉄製バンドが写っていますね。

ボンネット内のパイプやホースを接続します。

レシーバーも新品交換です!
純正の新品が残っている貴重な品です。(笑
レシーバーはエアコン修理の時には必ず交換する部品です。
ガスのフィルターですので、内部に汚れが溜まっていますから。
他にも役割があるのですが・・・
説明すると長くなるので割愛します。(爆
レトロフィットバルブ です!
R12とR134ではガスを注入するバルブの形状が異なります。
間違ったガスを注入しないための方策だと思いますが・・・
このバルブを装着することでR134用の注入口になるんです。
NSXの作業でも使っているDENSO製なので品質も安心です。
レトロフィットを示すステッカーとかも付属しています。
まあ、注入口が変わってるんで間違えないとは思いますが・・・

注入口にはホイールのバルブと同じような
ムシ が入ってます。
DENSOのバルブは元々入っているムシを抜いてから装着するんです。
で、ムシを抜こうとしたところ・・・
高圧側のムシが固着して抜けませんでした。
ご覧のようにバラバラになりながらも、何とか除去できました。
ムシを抜くだけの作業でかなり時間を取られちゃいました。

バルブを装着して、ステッカーも貼り付け!
ステッカーは黄色でボディーも黄色なので、目立たないかも?(笑
まあ、ガスを間違えることは無いでしょうけど。

真空引きをして、点検用ガスを注入して漏れチェック!
点検用ガスを注入することで、
配管内の空気を完全に抜くことが出来ます。
空気が残るのはエアコンにはご法度なんですよね。
空気には湿気が含まれていますので、
配管内部でその水分が凍ってしまうことがあるんです。
すると内部が詰まってエアコンが効かなくなります。
そのために点検用ガスを注入して空気を排除してやります。
で、漏れが無ければ再度真空引きをしてから、
R134ガスを注入します。
当店の夏の風物詩!エアコン進化剤!!せっかくエアコンを修理したわけですから、
進化剤施工でコンプレッサーを保護してやらないとね。
抵抗も減りますので、パワーダウンの抑制にもなるんです。
特に低速トルクが細いKカーには効果的!!
WAKO’S パワーACプラス!こちらも追加で注入しました。
進化剤と同じくコンプレッサーの抵抗を減らしますので、
相乗効果が期待できます。
今回の件でビートのエアコン修理は可能だと判明しました。
現状でエアコンのことで悩んでいるオーナーさんも多いのでは?
ただ、修理にはそれなりの金額が掛かりますので、ご覚悟を!(笑
この度はご依頼ありがとうございました。
レトロフィットでのエアコン修理は、
旧車全てで出来るわけではありません。
R134対応のコンプレッサーや部品が、
ラインナップされているかどうかが
カギとなります。
ただ、今回のビートのように絶望だった部品供給が、
復活することもありますので・・・
ビート以外の車種でもお気軽にお問合せください。

岡山県倉敷市の「田舎のタイヤ屋さん」です。(笑
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