ミッドシップ祭り第5弾!★NSX★ タイベル交換&メンテナンス!!
眠っているネタもあるんで早めに更新しないといけませんね。
本日のクルマは・・・
ホンダ NSX!
タイミングベルトの交換とメンテナンス作業のご紹介です。

以前に当店で中古車として販売したクルマです。
本当は先日のABS換装よりも前にやった作業だったんですが、
第1弾だったオーバーホールと内容がカブる部分が多いんでちょっと間をあけようかと・・・

エンジンとMTをサブフレームごと降ろします。
当店ではNSXのタイベル交換はエンジンを降ろして作業します。
その理由はイロイロありまして・・・
まずは作業の確実性ですね。
NSXのエンジンはV6なんでタイベルがすごく長いんです。
そのタイベルをクランクシャフトのタイミングプーリーから、
ヘッドにある4個のカムプーリーに掛ける必要があるんですよね。
この時にタイベルのコマが1つでもズレちゃうとマズイんです。
ところがNSXのエンジンルームってかなりキツキツなんですよね。
そんな狭いところで作業をやってると正しく掛けれない可能性が高まります。
さらにタイベル交換ってことは10万km乗ってるってことですよね。
それだけ乗ってるとエンジンもかなり汚れています。
オイルのニジミなんかも各部に出てきたりしてますからね~。
車上でそれらの汚れをキレイにするのは限界があるんです。
そうなると作業中にオイル汚れが工具や手に付いちゃうこともありえます。
新品のタイベルにオイル汚れを付けるのはご法度ですから、
車上での交換ではかなりのリスクを伴うことになるんです。
他にもついでにやっておいたほうが良い作業がありますので、
エンジンを降ろしてタイベル交換と一緒にやってしまうパターンなんですよね。
ただし、交換部品がかなりの数になるので金額は膨らみます。
それでもまとめてやっておけば工賃の節約にもなりますし、
作業後の10万kmへの安心感につながりますからね。
NSX専用のラックを作ったのでサブフレームごと載っけてます。
この状態でエンジンやMT廻りの汚れを洗浄しておきます。
通常ならばこの状態で作業を進めるんですが・・・
今回はクラッチ交換もあるのでMTを分離してエンジンスタンドに固定します。

ヘッド廻りのオイル汚れです。
タペットカバー周辺から滲んだオイルに埃が付着しちゃってるんですよね。
こんな汚れがアチコチにあるんです。

オイルポンプ&オイルパン周辺の汚れもご覧の通り。
この汚れをエンジン載せたままで洗浄するのは、かなり至難の業ですよ!

エンジンスタンドに固定し、補機類を外してさらに洗浄します。
本格的な作業に取り掛かる前に徹底的にやっておくのがポイントですね。
オーバーホール時もそうなんですが、洗浄作業はけっこう時間を取られます。

サージタンクを外すと恒例の枯れ葉が・・・(笑
ブロックのこの部分は水やゴミが溜まりやすい構造なんですよね。

エンジン全体がすっかりキレイになりました。
外したサージタンクも分解して洗浄しておきます。
他にも外せる部品は単品状態でキレイに洗浄してやります。
で、洗浄が終わったところで本格的な作業に入ります。

タイベルを外すと、こちらも恒例のクランク角センサーです。
表面の樹脂がエンジンの熱で溶けて流れ出ています。
これもNSXの持病の一つなんですよね。
作動に問題は無いようなんですが、見た目がコレですから新品に交換します。

こちらも交換が必須の ロストモーションスプリング!
下側が前期型に元々装着されている物になります。
で、上側がモデルチェンジした新しい物です。
NSXのエンジンにはVTEC機構があるため、
1気筒あたりIN・EXそれぞれ3個ずつのカム山があるんです。
高速用のカム山が真ん中に1個で、低速用の2個のカム山に挟まれています。
で、ロッカーアームも3個ありカム山がそれを押さえる構造なんです。
低速用の2個のロッカーアームは常にバルブを押さえつけています。
その時高速用のロッカーアームはフリーになっているんですよね。
VTECが高速に切り替わると高速用のロッカーアームは
低速用のロッカーアームに連結されることで高速用のカム山が有効になるんです。
でも連結するためには高速用のロッカーアームがカム山に追従している必要があります。
そのためこのスプリングでロッカーアームを押し上げているんです。
って、言葉だけで説明するのは少々無理がありますかね?
このスプリングにヘタリが出てくると高速用のロッカーアームが遊んでしまい、
エンジンからガチャガチャと騒音が出始めるんです。
後期型には新車時からこの新しいタイプが使われていました。
スプリングの上下にキャップをはめただけのシンプルな構造になっています。
対して前期型はケースの中にスプリングを組み込んだ構造です。
バブリーな頃に開発されたんで凝った設計をしたんでしょうね。
今回ケースをバラしてスプリングを出して比べてみました。
スプリング自体の巻き径も全長も後期型のほうがかなり大きいですよね。
これだけ違えばヘタリや強度の差も相当なもんでしょうね~。
シンプルな構造で効果が大きいなら、凝った造りは無用の長物ですもんね。
後期用と前期用は微妙に寸法が違ったため流用は出来ませんでした。
ところが現在では前期用もシンプル構造の代替部品になっているんです。
シンプルなんでお値段も半額以下に!
なのでタイベル交換の時には必ず交換するようにしています。

バルブスプリングの中間にはまっているのがロストモーションスプリングです。
このスプリングを交換するにはカムやロッカーアームを外す必要があります。
なのでタイベルのついでにやる作業なのか、
こっちの作業のついでにタイベル交換なのかが微妙ですが・・・(笑

ヘッド後部のエンドシールも新品交換です。
ここはけっこうオイル滲みの発生するポイントなんですよね。
でもカムを外さないと交換できないんです。
エンジン車載状態だと交換できない部品ってことになりますね。

ウォーターポンプも新品に交換するんですが、装着前に下準備。
ここのボルトには緩み防止のため、ネジロック剤が使われているんです。
そのためブロックのネジ穴にロック剤のカスが残っています。
タップを使って残ったカスを取り除いてキレイにしておく必要があるんです。

新品のウォーターポンプとクランク角センサーを装着。
ウォーターポンプも改良された代替品になっているんです。
矢印部分にパイプが飛び出ているのがわかりますか?
ここが改良された部分なんです。
どうなったのかっていうのは後ほど説明しますね。

パッキンを新品に交換したタイベルカバーやカムプーリーを装着したら、
いよいよ新品のタイベルの登場です!
どうです?かなり長いタイベルでしょ??
この長いベルトをコマズレ無く掛けるのは車載状態だと難しいでしょうね。
さらに張り調整もね。
エンジンを降ろした状態だとこのあたりの作業も確実に行えます。
エンジン本体や各部品もキレイに洗浄してありますから、
ベルトにオイル汚れなどが付着する心配もありませんしね。
もちろんテンションプーリーやスプリングも新品です。
プーリーにはベアリングが入ってますので、10万kmも乗ってれば必ずガタが出てますから。
タイベルの張り調整はスプリングの力のみでベルトの緩みを取る方式ですので、
スプリングのヘタリっていうのも問題になっちゃいますからね。

タイベルカバーを組み付けたらクランクプーリーを装着します。
もちろんカバーのパッキンは新品に交換していますよ。
パッキンがヘタってくるとカバー内部に水やホコリが侵入するんです。
タイベルにとってそれらは傷みの原因になっちゃうんでね。
クランクプーリーはかなりの大トルクで締め付けるようになってます。
プーリーの中心部に六角形のヘコミがあります。
ここに回り止めの専用工具を掛けて、トルクレンチでボルトを締めるんですが、
トルクがトルクだけに一人で作業するのはまず無理です。
なんせ二人がかりでもけっこう力が要りますんでね。
で、先ほどのウォーターポンプの話ですが・・・
矢印部分にカバーからパイプが出ているのがわかりますかね。
これはポンプのシャフトシールが逝っちゃってクーラントが滲みだした時の排水口なんです。
以前はカバーに開いている穴とポンプの間にゴムのシールを挟む構造だったんですが、
シールが劣化してくるとカバー内部にクーラントが漏れていたんですよね。
せっかくカバーのパッキンで外部からの水の浸入を防いでいるのに、
クーラントがカバー内部に漏れたんじゃあ元も子もありません。
なので排水口のパイプをカバーの外まで延ばした方式に変更になったんです。
この変更によりカバーも専用品になり、ポンプとセットの部品になってます。

続いてはタペット調整です。
10万kmも乗ってればタペットのクリアランスも広がってることが多く、
エンジンのノイズの原因になっているんです。
クリアランスをきちんと調整してやればエンジンはかなり静かになります。
ロストモーションスプリングも交換してますからね。
この作業もエンジン車載状態だと出来ません。
降ろした状態でもかなり時間が掛かる作業ですからね~。
以前に一度だけ車載状態でやったことがありますが、二度とやりたくないほど大変でした。
工賃100万円くれるならやりますけど・・・(笑
その予算があればエンジン降ろしてのメンテナンスが賄えますけどね。
この作業時にタイベルにオイルを付けないように注意が必要です。
一応ダンボールでカバーを作って作業しています。
簡単な物ですが、これでも有ると無いとじゃ大違いなんですよ!

タペット調整が終わったらカバーを装着します。
もちろんパッキンは新品に交換してますよ!
カバーが白ボケていたので塗装しておきました。
結晶塗装になってますので風合いを壊さないようにしないといけません。
ツヤ有り塗料なんかを使うのはもっての外ですよ!!

オイルパンもキレイに洗浄してあります。
新品パッキンを使って組み付けるんですが・・・
ここもオイル滲みがよく起こるポイントなんです。
と、言いますのもオイルパンの固定ボルトを規定トルクで締め付けると、
パッキンが変形してハミ出しちゃうんですよね。
ハミ出さないように締め具合を加減する必要があるんで滲みやすいんです。
対策としてブロック底面とオイルパンを完全に脱脂して液体パッキンを塗ってから、
パッキンがハミ出ないように慎重に締め付けます。

クラッチも新品にしました!
サーキット走行とかはしないので強化品は必要ありません。
ペダルとかも重たくなっちゃいますからね。
それでもNSXは純正品でツインプレートなんですよ!
ツインだとディスクの位置出しの正確さが重要になります。
ディスクがズレているとMTを合体する時に中々入ってくれないんですよね。
当店ではNSXのインプットシャフトを加工したSSTを使ってます。
これなら間違い無く位置出しが出来ますからね。

MTを合体させたらサブフレームに載っけます。
あらかじめ洗浄しておいたサージタンクなどの補機類を組み付けます。
水廻りのホース等も全て新品に交換します。
このあたりもついでの作業なんですがけっこう重要です。
後から別で作業するとそれなりの工賃が必要になります。
そこで出来ることは全てやっておいたほうが割安になるんですよね。
ただし部品代はかさみますが・・・

スプールバルブ等も組み付けます。
これらもあらかじめ分解して洗浄してあります。
もちろんパッキンは・・・ ってわざわざ言う必要はありませんね。(笑

イグニッションコイルカバーを装着します。
もちろんパッキンは・・・(笑
エンジン全体でかなりのパッキンが使われていますね。
ここのパッキンもコイルを水から守る重要な役目を担っています。

エンジン搭載完了です!
オイルやクーラントを注入したらエンジンを暖気してエア抜きをします。
そして各部の最終チェックも同時に行います。
ロストモーションの交換とタペット調整のおかげでエンジンはかなり静かになりました。
カバーを塗装してあるので見た目もかなりGOODですね。
さあ、これで完了!って思ったら・・・
突然クラッチペダルが床までスコ~~ンと!
なんとスレーブシリンダーからオイル漏れが発生しちゃいました。

原因はコレでした。
スレーブピストンのカップがボロボロです。
一応装着前にブーツを外してオイル漏れはチェックしてあったのですが・・・
若干怪しいかなとは思ってたんですが、今回部品代がけっこう出ていたので、
現状漏れていないんでスルーしていたんです。
なんせ交換前の踏力が重くなってたクラッチで漏れてなかったんで・・・
やはり怪しいとこはちゃんと交換しないといけませんね。
でも最終チェックの段階で症状が出て良かったです。
納車後だったらお客さんに迷惑を掛けるところでしたからね~。

スレーブシリンダーだけでなく、ホースとマスターシリンダーも交換しました。
油圧系の消耗部品は全て新品になりました。
パイプも1本がネジ部が固着していたので新品にしました。
さあ、これでもう10万kmは安心して乗れますね。
でも年式が年式ですので、今回作業していない部分への不安はありますが・・・
そのあたりは古いクルマの宿命ですので、その都度対処するしかありません。
大概のことには対応できますので、安心しておまかせください。
なんせNSXの常連さんが多かった頃に、
アレやコレやいろんな事をさんざんやらされましたので・・・(笑
この度はお買い上げありがとうございました。
さてミッドシップ祭りはまだまだ続きます。
次はどんなクルマのどんなネタが登場するのか、お楽しみに!

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by AutoReference | 2014-11-20 09:32 | NSX | Comments(0)

